DAIWA CRANK BAIT


1.フラットレーザー


1980年代、ダイワがコンピュターテクノロジーを駆使して作り上げた、
レーザールアーシリーズ3種の内の一品!
たぶん、へリンのフラットフィッシュをデザインの参考にしたから、
フラットレーザーってな名前がついたんだろうね。
最初見た時には、「なんだ?この笛みたいなルアーは」って思ったよ。
いったい、このルアーを作るのにどんなふうにコンピュターを駆使したのか?
なぜに、コンピューターはリアルなお魚的な姿よりも、
こんなロボコップの出来損ないみたいな外観をデザインしたのか?
う〜ん、実に謎が多いけど、面白さと斬新さは最強だね。
なんで、今じゃこういうルアーを作ることが出来なくなっちゃたんだろう?
「時代」なのかな〜、だったらなんだか嫌な感じで進歩しちまったんだな〜。


2.コネリー

この独特な形は、パイクをモチーフにしてると言われている。
オレ的な妄想では、ウッドルアーが盛んだった時代、単なる棒切れの様なペンシルベイトに飽きたアメリカ人が、
遊び心でアクションに影響が出ないであろう目の部分を削って、個性的な顔にしたのが、コイツの誕生秘話なんじゃないかな?
それが長い間世界中から愛される、ハンサムな「顔」になったのだと・・・オレは思いたい。
そんなパイク顔に、リップを搭載したのが、アメリカじゃヘドンのリバーラント、北欧じゃABUのハイロー、
日本じゃコネリー・・・としても、いいんじゃないかな?
他にも色々とあるけれど、ど定番なヤツらは、コイツらでしょ。
まあ、そんだけ、このパイク顔のルアーってのは、昔から世界中に溢れ返っているのだよ。
日本じゃ、ダイワはコネリー、シマノはシャンクノーズ、リョービはクランキーシリーズ、オリムピックはまさかの濁点を付けただけのリバーランド!
そんなインチキあるか?
もちろん、無名なパチモノも多数入り乱れてたね。
それほどまでに、1980年代じゃ愛されたルアーなのに、現在じゃ国産メーカーはパチモンを含めて、ドコも作ってないのだよ。
なんとも不思議な状況だねぇ。
その理由はズバリ、釣れはせん。
スレてない野池や、落ちパクの様なパターンだと、釣れることもあるけど、スレまくりのメジャーレイクじゃ、まったく釣れはせん。
アクションは、個性的。
というのも、鉄リップの搭載状況によって、変わってくる。
曲がって付いてることも珍しくなかったから、購入後自分で調整する必要性があったのだよ。
それによって、劇的な釣果を生み出す・・・なんてことは無い。
バランスを正しても、それほどキビキビ泳ぐルアーじゃなかった。
どシャロー用に直角に曲げるというチューンをすると、稀にイイ思いが出来ることがあったけどね。

↓鉄リップには、ちゃんと刻印がある。


↓でも、刻印が無いバージョンもある。

後期型になると、リップには刻印が入らなくなっている。
だが、リップの裏面に小さく「JAPAN」の刻印が入り、フロントのラインアイヒートンと、リアフックを搭載してるヒートンの円がデカくなるという特徴があった。
↓この3個は、一見ダイワ製。

一番上は、リップに「Connery」刻印が入ってる初期モノ。
一番下は、リップ裏に「JAPAN」の刻印があり、前後のヒートンの円がデカいタイプ。
真ん中は・・・、上の本物とウリ二つだが、リップには「Connery」や「JAPAN」の刻印も無く、
↓リップを搭載する部分のえぐれも無くなっている。

ただコレは、後期型の正規コネリーでも無くなっているので、何とも言い難い。
↓フックハンガーやヒートン、リアのカップは、同じモノを使ってるようにしか見えない・・・。

それでも、本物じゃない可能性があるのは、1980年代にダイワのコネリーを、完コピするパチモノが存在していたのだよ。
それが、↓真ん中の水色のパッケージのモノ。

ペンギンの絵が描かれた特徴的なパッケ。
ちなみに、その隣の箱入りは「SANGOのルアー」
右の4個は、全部同じメーカーのモノだが、詳細は不明。
現代でも、ベリーでチョイチョイ見かけるルアーだから、近年アジア圏でパチられたモノかもね。

↓初代の定価は、驚愕。

当時と物価の違いはあるにせよ、安いなぁ・・・。

↓シマノ製のシャンクノーズ。

サイズも、コネリーと同じ位。
パーツ類も似ているが、フロントフックは、フックハンガーじゃなくて、ヒートン仕様。

↓コレが、本家ヘドンのリバーラント。

コネリーよりもデカいサイズだが、コネリーと似たサイズのモノもある。
逆に、コネリーにも、ミニタイプ、上のリバーラントと同じ位のタイプ、コレよりも巨大なビッグタイプ、変わり種としてジョイントタイプもあった。
コネリーUにはDRタイプというのがあって、これらのコネリーは、全てほぼ幻のアイテムと化してる。
いずれも、オレは所有出来てない。
かなり発掘困難なレアアイテムなんで、探してるマニアも多いんじゃないかな?

↓OLDなパチモノ。

昔は、白目の部分が金色なモノが多かった。
ヘドンの影響かね?
一見すると、ダイワのコネリー後期型にそっくりだが、フックハンガーがちょっと違うのと、リップはまるで別物になってる。
湾曲が無くて、平らな上、裏のビスの止め方も違う。
ビスも、ダイワ製に使われているモノと違うね。

↓コレも、パチモノ。

フロントヒートン取り付け部の樹脂が、ちょっと補強された形状になってる。
フックハンガーも、丸型の違うタイプが採用。
リップの取り付け部の端も、丸くなってやさしくなったね。

↓コレも、パチモノ。

ヒートンやフックハンガーを使わず、8リング仕様。
パチモノとしては、けっこう新しい部類なんじゃないかな?
フロッグカラーは、オレの壺。

↓コネリーUになるとリップはボディと一体型のプラになる。

そもそも、樹脂製のルアーに、あえて鉄リップを搭載してたのは、なぜなんだ?
海外製のモノが、ウッドボディに鉄リップだったのを参考にしたから・・・なのかね?
リップが樹脂製の組み込み型に変わったことにより、泳ぎが安定するというメリットが生まれた代わりに、
リップを曲げてアクションを変えるという特技が失われてしまった・・・。
オマケに、全アイが8リングとなってしまい、あまりにも軟弱なリングだったので、変形しやすくて、壊れることもあった。
↓1990年代までは、店頭で見かけることもあったのだけどね・・・。

とりあえず、我が家のコネリーUをかき集めてみました。
オイカワ♂の様なベイトフィッシュカラーやパールホワイトベースのカラーは、けっこう後で発売されたんじゃなかったかな?
数十年と長い間、みんなから愛されたコネリーだけど、いつの間にやら、市場からは消え去ってしまったなぁ・・・。
ピーナッツは生き残れたのに、なぜじゃ!


3.バスハンター
ダイワのクランクベイトで、名作と称えられるのは、ピーナッツかバスハンターか?
そこいら辺の見解には、個人差があると思うけど、現代ではバスハンターは生産終了し、カタログにも載ってないが、
ピーナッツは新型を含め、いまだ健在なのだから、ピーナッツ推しの方が強かったのかな?
オレ的には、断然バスハンター。
なぜなら、先にバスハンターで釣っちゃったから、それ以来ピーナッツなんぞ使ってもいないのだよ。
そういうもんじゃない?
まあ、そういうのも、人によりけりだよね。
さてさて、バスハンターですが、登場したのは古く1982年。
ちょうど、オレがルアーフィッシングに目覚め始めた頃なんだけど、当時は竹芝でシーバスばっか狙ってたから、
まだ、ブラックを釣ったことも無く、憧れてた時代。
なので、どんなクランクベイトが釣れるか?なんて、考えてもいなかった。
それでも、バスフィッシングに行きたい一心で、ルアーだけは買い漁る。
そんな中、クランクベイトで一番欲しかったのが、バスハンターのDR(ディープランナーの略)タイプ。
SR(シャローランナー)もあったのだけど、オレが愛読してた「ヒット:バスルアー」によると、
西山徹氏の言葉で、「SRは好きじゃないが、DRは素晴らしい」とある。
まだまだヤングだったオレは、それを素直に信じ、真っ先にDRを買ったけど、
バスフィッシングに行く前には、結局SRも買ってた。
なぜなら、安かったのだよ。
当時は、舶来品がクソ高い時代。
バグリーのクランクベイトや、ストームのウイグルワートは、みんな1200円以上してた。
だが、バスハンターは定価で600円。
当時は、ダイワ商品を2割引きで売ってるお店が多く、480円で買えた。
お小遣いが少ないお子ちゃまに、これほどやさしいルアーは無いよね。

SRは、巻いた時のブリブリ感がスゴイ。
潜りたいけど潜れない的なアクションで使うと、エエ感じ。
外観は、オタマジャクシを連想させるから、バグリーのママキャットをギュッとした様な感じにも見える。
メガのグリフォンにも似ており、コレをメガ流にオマージュしたんじゃないかね?
そんなシャローランナーに比べて、DRは腹がギュッと、ライザップされとる。
なんでだろう?
結果にコミットしたのかな?

↓コレが、初期の頃のDR

背中の文字は、擦れてきてます。

↓コレは、SPタイプ。

一番下は、クリアーなボディで、骨は入ってない。
骨入りは、SRにしかなかったね。
当時は、こういったクリアーなボディも珍しく、とにかく目を引いたルアーだった。
一番上のフロッグカラーは、ヘドンとかの影響を受けたのかね。
その下の白っぽいのは、なんだべな?
ココいら辺のは、どういった経緯でなんのルアーカラーをパックたのかまでは、ワカランなぁ。

カラーが、特殊な感じなんで、一見「SP=スペシャル」かと勘違いしがちだが、このSPとは、サスペンドタイプの意味。
当時、サスペンドタイプのルアーというのは、まだまだ認知されておらず、国産ルアーには皆無だった。
世界のルアーで探してみても、レーベルのスプーンビルミノーとレーベルのサスペンドRだけ・・・、といっても過言じゃない状況だったね。
そんな市場に、コイツが放たれた時には、それはもう・・・、全然人気を博さなかった。
なんせ、「サスペンド」なんて、言葉からして知られてないもの。
カトちゃんが、ラッキークラフト作って、サスペンドルアーを世に出しまくるまでは、全然知られてなかった気がするよ。
それに、ノーマルのナインナップとは違い過ぎるカラーに、SPはサスペンドじゃなくてスペシャルなんだと、よりいっそう強い誤解を招いてしまった気もする。

↓コレは、復刻モノのバスハンターDR

上がホットタイガーで、下がマットタイガー。
マットタイガーは、一時、メガのルアーなんかで流行ったカラーだね。
オレは、ツルツルピカピカの艶アリの方が好き。

↓コレは、珍品のBNタイプ。

BNの意味は、ボーンだと思う。
オレ的には、超お宝だと思ってる骨入りカラー。
いま、このルアーを作ろうとしたら、2000円超えのルアーになりそうだけど、当時はたったの800円(定価)だった。

↓よくやったなーって感心するよ。

発想もスゴイが、それを大量生産して市販したってことが、なによりスゴイ。
よっぽど売れる自信があったのか・・・、単なる無計画だったのか・・・、いやはや素晴らしい。

↓コレは、バスハンターUになる。

初代と何一つ変わってない気がするけど、なんか眼に見えないトコで変わったんだろうかね?

↓コレは、正規カラーじゃない。

どっかのSHOPオリジナルというか、リペイント品。
目玉のシールが浮き過ぎているのは、なんとも残念だが、キレイなパロットカラーだよね。

↓これまた、珍品度高いメタリックタイプ。

当時は、シーバスハンターのレッドヘッドカラーの白い部分にも採用された、ミラクルシャインという名の「ビーズ塗装」で、キラキラ感がハンパ無い。
どうして、この塗装を現在でもやらんのかね?
復刻するのならば、骨入りとメタリックこそが、一番でしょ。

オレの記憶が確かならば、メタリックと骨入りはシャローランナーにしか存在しておらず、
逆にサスペンドタイプは、ディープランナーにしか存在してないと思う・・・って、当たり前か。
シャローランナーに、サスペンドはあり得んわな。

↓新型のバスハンター。

名前は、バスハンターRになるみたい。
レヴォリューションとか、リニューアルとか、そういう意味になるのかね?
新型になると、よりいっそうメガのグリフォンに、似てるよね。
でも、この新型は、短命だった気がする。


4.ピーナッツ


現代では、Uが主流となり、ダイワの名作と称えられているが、元々はストライクキングから1981年に生産を譲渡されたモノ。
ピーナッツという名も、ストライクキングが元々名乗ってたんで、そのまんま譲渡となったのかね?
ただ、下の画像のDRは、ダンスキングという名で売られていたが、ダイワ時代になると、ピーナッツのDRとされた。
なんでか?は、知らん。
ストライクキング製のピーナッツも、画像の様にリアルペイントなカラー。
ただ、画像のピーナッツが、一応ブルーギルなのに対し、本家はブラックバス。
そこは、どういった経緯で変わったのかね?
100%まんまがイヤだったのか、バスのベイトとしては、ブルーギルがふさわしいとの判断なのか?
色々と妄想が膨らむもんだ。
ちなみに、↓Uが登場したのは1991年。

それが、現代でも愛されているロングセラーなのだから、釣れるルアーってのは、理屈抜きでスゴイやね。
↓2016年には、こんなカラーも登場した。

19名のバスプロ考案カラーで、その後何らかの雑誌とかで人気投票とかもやってたらしい。
↓コレは、おそらくその人気投票で上位を狙ったカラーなんじゃないかね?

遊び心・・・、あるよねぇー。

↓2019年には、こんなタイプも出た。

550円とお安いのは、2021年にたまたま特売されてたのさ。
たぶん、旧カラーの在庫処分だったんじゃないかな?
オレ的には、「浮き」みたいなカラーに、ついつい釣られてしまった・・・。
元祖ピーナッツとは、まったくの別モノルアーで、トップウォーターフィッシングに特化したモデル。
フロントフックを搭載すべき位置に、ブレイドを装備し、テールにはスクリューも装備されている。
フックは、おケツのダブルフックのみなんで、フッキングは大丈夫なのかね?
でも、あのピーナッツが、こんなにも進化するとはね・・・。
ストライクキングも、ビックリだろうなぁ。


5.バスジャッカー

レイジーアイク社のナチュラルアイクを、完コピしたルアー。
昔のクランクベイトといえば、数字の6を横向きにしたような、ウイグルワートの様な形状が多かったのだが、
これは、ちょっと違うやね。
なんというか、じゃがいもみたいな感じ。
ボディがけっこう凸凹してて、それがなんともいえない味を出してる。

だが、↓Uになると、

そういったナチュラルアイクを思わせる部分が改良され、
シャープなボディに整えられ、リアル風なカラーも一新されてしまった・・・。
当時のアメリカで、著作権法みたいのにでも引っ掛かったのかな?
↓Uは、2サイズあった。

大きい方は、初代に通づるサイズで、小さいのは新型になったのかね?
それとも、ナチュラルアイクにも、小さいサイズもあった・・・とか?
リップも、分厚く改良されてる。
↓リップには、初代同様ルアー名が記載されている。

でも、「U」とまでは、記載できなかったのか、面倒だからやらなかったのか・・・。


6.シャドーマック

なんらかの海外製ルアーをぱっくたのかな?
それとも、BALSA−50あたりをパクったのかな?
使い方は50と同じ、TOP気味で使うのがベスト。
そうすると、ボディのえぐれてる部分が独特の水流を作り出す。
それが、すんげ〜釣れる水流だったら、たぶん今でも売ってるはず。
釣れないってワケじゃないけど、すんげ〜釣れるってほどでもなかったんだろうね。
けど、オレは大好きだった!
当時のお値段は、ダイワにしては高価な千円だったけど、50は当時2800円だからね。
やっぱビンボーなオレは、コイツに反応しちゃうのさ。


7.グルーパー7

7cmなんで、グルーパー7っていう名前なんだと思う。
出目が、なんとも可愛い。
けっこう昔のモノで、リップに刻印があったりする。
出目やお口をハッキリさせている形状は、当時としてはかなり頑張ったルアーだと思える。
でも、当時のお値段1000円というのは、ちょっと高かった。
頑張ってるルアーなんで、オレ的には値段相応な気もするんだが、
なかなかおこちゃまには、買えないルアーだった。


8.ウッドマック

ルアー名にある通り、ウッドボディ。
1980年代のルアーなんだけど、当時としては、高級系なルアーとしてのラインナップの1種だった。
まあ、リアルな感じの塗装から、その気合が伝われば・・・。
とはいえ、当時のピーナッツで得た技術の応用なんだろうけどね。
ルアーの背中に書いてある文字は「MOTSUGO」
モツゴに似てない・・・よね。
当時、他に「ヨシノボリ」、「オイカワ」、「バス」、「アマゴ」があった。
このカラーラインナップは、ダイワのトップウォータープラグのコーナーで紹介してる「ウッドプロップ」と同じだった。
残念なことに、どちらもハンドメと言えるクオリティのルアーだっただけに、超短命だったね。
当時は、このルアーのお値段が高いこともあってか、釣れる釣れない・・・という談義も成り立たない程、使われてないルアーだったと思う。
オレも、使った記憶は一切無い。


9.ザ・リガニー

なんともネーミングセンスがイカしてる。
最近のダイワって、どうしてこういうセンスがなくなっちゃったんだ?
守りに入りすぎでしょ。
やっぱ、こういう釣りを楽しくしてくれるセンスってのは、重要だよ。
このルアーは、当時ダイワが代理店やってた、REBELのザリガニに似てる。
リップの形までクリソツですな。
決定的に違うとこは、なんと!はさみが稼動する。
ちょっとしたジョイント構造になっているんで、横にちょこちょこ動く。
まあ、だからといって釣れるワケではないのだが・・・。
当時、かなり安直にルアーを作ってたダイワの、なんというか、
単なるパクリから一線を画すために、苦し紛れに作り上げた機構だと思う。
でも、そういう無駄な構造ってのは、珍品には大事な要素!
オレ的には、実に素晴らしいモノだと思う。


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