えぐった本
一応、釣り雑誌で連載してる身分なだけあって、我が家にゃ色んな釣り関係の本がある。
中には、絶版となってしまったレアな本もあるかもね?
1.ラパラ解体新書
初版発行は、1999年1月18日。
著者は、楠ノ瀬 直樹氏、福原 毅氏
解体新書と書いて、バイブルと読ませるのは、センスを感じるね。
エサより釣れる・・・とあるのは、大袈裟な表記じゃなくて、過去に色んな国でそういった現象が起きたことから、
書かれた言葉なのだと思う。
トローリングで、とんでもない漁獲量を誇ったり、世界的に品薄だったシャッドラップを、
買えなかった人の為にレンタルする湖まであったというのだから、その破壊力は凄まじいモノだったのでしょう。
ラパラを解体とあるが、ホントにルアーを半分に割った写真まであって、色んな意味で解体している。
初版発行年よりも古い時代のラパラ話だから、近年のラパラにしか触れてない人にとっては、
不思議に思う話だったり、逆に新鮮に聞ける話だったり、楽しく読み進められると思うよ。
ラパラの偉大さを、少しは理解出来るんじゃないかな?
楠ノ瀬 直樹氏が亡くなってしまった影響から、この本の素晴らしさが再確認されたようで、
オークションじゃ1万円近くで取引されているのだとか・・・。
人間の悪い癖だが、亡くなってから、ようやく評価することが出来るだね。
2.ルアー美学
初版発行は、1996年6月。
著者は、楠ノ瀬 直樹氏、福原 毅氏
美学と書いて、ダンディズムと読む。
相変わらず、抜群のセンスですな。
3.続ルアー美学
初版発行は、1998年4月。
著者は、楠ノ瀬 直樹氏、福原 毅氏
4.ブラックバス移植史
初版発行は、1998年2月1日。
著者は、金子 陽春氏、若林 務氏
2017年現在、ブラックバスの生息域は日本全国に拡大し、その拡大の要因はゲリラ放流によるものがほとんど。
この本は、そんなゲリラ放流で日本中にブラックバスが生息する前、
どういった経緯で、その場所にブラックバスが移植されたのかが、正確に記載されているだけじゃなく、
その移植方法まで、事細かに書かれていて、ビックリするほど面白い。
特に、京都移送の話は、当時の奮闘ぶりや、それを良く思わない人間模様なんかが、目に見えるようで実に興味深かった。
この本が発行された頃、時代は空前絶後のバス釣りブーム真っ只中。
そんな時に、バスの市民権の重要性や、害魚論との闘いを説いている。
この貴重な意見に、当時誰も耳を傾けなかったことが、今日ブラックバスが「特定外来生物」となってしまった要因の一つでもあると、
オレは思う。
まあ、ブラックバスの食性を知れば、害魚となるのは当たり前という宿命を背負っていたのに、
ゲリラ放流で生息域を拡大しまくってしまったことが、何よりの原因ではあるがね。
5.柏木重孝のアマゾン大釣行
初版発行は、1995年6月10日。
著者は、柏木 重孝氏
アマゾンでのルアーフィッシングを、いち早く日本に伝えた本。
みんなコレを見て、アマゾンに憧れたもんだった・・・。
まあ、実際には、本よりもビデオの方が衝撃的だったんで、そっちしか見てない人も多いんじゃないかな?
この本は、そのビデオ撮影後に、どうしてもまたアマゾンへ行きたい口実として書くことになったという経緯で発行されたらしい。
本人が本文を書いてるだけあって、書き方が独特で伝わりやすく、非常に面白い。
発行されてる本で、これほど自由な表現での書き方は無いんでないかな?
6.ダイワルアー・フライ
発行年は不明だが、内容から察するに、1980年前後じゃないかな?
ルアーやフライの基礎知識だけじゃなく、当時じゃ珍しいとも思えるウグイのルアーフィッシングや、
ルアーのハンドメイド、当時の日本中のフィールドも紹介してる。
その写真に登場してる方々のファッションが、なんともナウい!
やっぱ、釣りといえば、チョッキだよねぇ・・・。
オレ的に、この本がスゴイのは、当時のダイワのタックルが網羅されていること。
自社製品だけじゃなく、代理店であったオールドパルのボックス、レーベル、ストームのバスルアー、アルゴンキンのスプーン、
ブレットンやマイヤーのスピナーなどなど見てるだけで楽しくなる。
ココに書かれている解説は、現代のバスフィッシングでは忘れ去られてしまった事や、
過去のルアー達がどれほど偉大であったかを、再認識させてくれる。
当時、本屋よりも釣具屋さんに多く陳列してた本なんで、古本屋を探すよりも、
汚い釣具屋をえぐる方が、出会えるかもね。
7.ブラックバス釣りの楽しみ方
初版発行は、1978年7月5日。
著者は、則 弘祐氏、山田 周治氏
トップウォーターフィッシング好きにとっては、伝説の二人による書。
当時にして、トップウォーターフィッシング(当時の表現では、サーフェイスゲーム)を、
実体験で語るという、スゴイ濃い内容の本。
現代でも、これほどの内容で、トップウォーターフィッシングを語れる人って、いないんじゃないかな?
釣りのスタイルだけじゃなくて、道具に関して、ココまで細かく解説されている本は、当時稀だったはず。
多くの釣り人にとって、大いに参考になったことでしょう。
8.バスプラグの作り方
初版発行は、1984年2月1日。
著者は、鮎川 信昭氏
鮎川氏は、ウインターバッシングの名プラグ「Mr.プロンソン」の開発者。
それに関連するルアーの秘話や、ハンドメイドの手法を、余すことなく、惜しげもなく提供している。
これほど充実した内容のルアーのハンドメ本は、世界中にコレ1冊だけだとオレは思う。
中でも、ルアーの型紙は、お宝過ぎるでしょ!
ハンドメイドの達人を目指すなら、一度は読んでおきたい本。
運よく巡り会えたなら、絶対に買うべき!
9.ブラックバッス
初版発行は、1996年6月22日。
著者は、赤星 鉄馬氏、福原 毅氏
赤星鉄馬氏を知らない人は、バスフィッシングをまだまだ知らな過ぎる。
赤星氏は、日本に初めてブラックバスを移植した、伝説というか歴史上に名が残る人。
その人が、ブラックバスについて書き記したものが偶然見つかり、1冊の本となって出版されたモノ。
元々、出版するために書き記してあった様なのだが、おそらく時代背景、戦争によって出版には至らなかったみたい。
そんなスゴイ本を、バスフィッシングに関わる者としては、読むべきだとオレは思うよ。
当時、どういった理由での移入であったのかは、興味深いし、
この原稿が書かれたであろう昭和13年頃でさえ、ブラックバスの害魚論について書かれているのは、実に興味深く、素晴らしい。
自益の為に、ゲリラ放流を繰り返した釣り業者とは雲泥の差の志が、ココには記されている。
10.平本正博のプラグの作り方
初版発行は、1984年2月15日。
著者は、平本 正博氏
多彩な形状のルアーの作り方を、完璧に網羅してある。
作り方の紹介も、写真付きなので、とても分かりやすい。
細かいトコまで、実に丁寧に描かれているので、コレ以上の製作お手本なモノは無いね。
実に素晴らしい。
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