えぐったタックル ルアー編


DAIWA TOPWATER PLUG


1.リブンシケーダ

1980年代、ダイワの代表的な奇作といえばコレ。
一回り小さいサイズも存在しているが、そっちは流通量が少ないようで、けっこう発掘困難なレア品。
プロペラが両サイドにあるのが特徴的なのだが、それが釣果にはつながらなかったのか、ドコも真似はしなかったと思う。
この羽根は、ボックス収納時に潰されてしまう事もあり、変形してしまう事もあるので、収納には細心の注意が必要。
画像のモノは、既に潰れております・・・。

↓セミのボディ両サイドにあるプロペラ。


↓まるで、外輪船だよね。

コレが、不思議と釣れる・・・ことは無かったから、市場からは消えていった。
その後、この珍品度の高さから、異常な人気となり、1個3000円〜5000円で取引されるのも珍しくなかった。
それでかはワカランけど、2003年頃から続々と
↓復刻版が登場。

さらには、メガとコラボしたモノまで登場しているらしい。
まさかまさか、昭和の珍品が現代で進化するなんて・・・、なんか複雑。

↓某中古屋さんで、こんなのに遭遇。

2021〜22年頃かな?
1個だけなら、何かの間違い・・・的なモノだったり、個人で塗装を剥がしたモノとか、そう受け止められたのだけど、
数店舗で、その存在を確認した。

↓間違いなく、リブンシケーダー・・・だよね。


↓ロゴは入ってないけど、フックは搭載してた。

お値段は、店舗によってまちまち。
お高い傾向にあったので、各地でスルーし続けていたのだが、ついに550円で遭遇したので買ってみた。
どう見ても、リブンシケーダーで間違いない。
パクるにしても、構造上面倒なパーツが多いので、パチモノだと考えるべきではないかな。
製造工場から、何らかの理由で流れてきたものでしょう。
羽根の具合から、1980年代のモノではなくて、近年復刻されたモノを作ってた工場から流れ着いたのかな?


2.ドリンガー

1980年代のダイワが、ビッグバドをパクるとこうなった。
ポッパーにして、テールブレイドを尻尾にしたので、
完全なるパクリではなく、アレンジ品的なモノ。
まあ、アイデアは完全なるパクリだけどね。
KIRIN Light BEERは、1980年代に売っていたモノで、現代では売っていない。
当時、ちょうど売り出してた商品だったような気がする。
一般的には、「ドリンカー」と呼ばれているが、オレのバイブルである
西山徹著「ヒット:バスルアー」には、「ドリンガー」と記載されている。
どっちが正しいのかは分からんが、オレは一応ヒット:バスルアーに従ってみようかと。
でも、一般的には、ドリンカーでしか通じない。
頭がコネリー風で、尻尾にはプルトップを搭載し、ビールはサッポロバージョンのモノも存在してるが、
そっちは相当入手困難なレア品となっている。


3.トップケビー


プロペラが付いているからスイッシャーかと思いきや、
オレの愛読書ヒット:バスルアーの西山徹師の解説によると、ポッパーになる。
なんでか?ってえと、この穴がポッパー的な役割をするらしい。
しかも、この穴には、指を入れてランディングできるという・・・。
そんなことして、果たして大丈夫なのか?
バスに暴れられたら、超危険な気がするのだが・・・。
この独特な形は、オリジナルと勘違いされがちだが、ヒット:バスルアーに掲載されている解説によると、
アメリカに似たようなルアーというか、トップケビーの素となったルアーがあって、
それをまんまじゃマズイから、プロペラを搭載して、フックハンガーを採用したらしい。
パクリの手法が、ちょっと昔のコーモランっぽいけど、1970〜80年代当時の国産メーカーは、
今でこそ大手のメーカーであっても、こうやってパクリからルアーを学んで進化してきた文化なのだよ。
色んな意味で、大らかで、とてもエエ時代やった。


4.ウイスパー

1980年代当時、ルアーに用いる木材といえば、バルサが主流だった。
なんでかね?
ラパラの影響なのかな?
そんなバルサとは違う木材を使用した、国産初の量産型ウッドスティックベイト。
それが、このウイスパー。
まあ、アメリカじゃ、バルサじゃない素材のルアーも多かっただろうから、アメリカ目線だと、特に珍しいワケじゃない。
ただ、1980年代当時、日本のルアー界は、空前のハンドメイドミノーブームだった事もあって、
バルサじゃ無いのは、なんとなく珍しい気がしたのは、オレだけかな?
浮き角度は直立型に近く、ちょっとのジャークで簡単に首振りをしてくれる。
これほど簡単に首振りしてくれるペンシルベイトは、なかなか無い。
ましてや、1980年代に国産の量産型ルアーでは、皆無と言っても過言じゃないんじゃないかな?
しかも、コレが、数百円という小学生がお手軽に買える金額だったのだから、驚愕でしかないよね。
ただ一つ難点を言うならば、経年劣化により、内蔵してるシンカーがボディを突き破って破裂しがち。
画像の上のモデルは、現在そんな状態に陥ってしまったので、アロンで補強したが・・・、見栄えは悪くなっとる。
レッドヘッドは、まだ突き破ってはいないけど、ココにシンカー居ますよ・・・という主張的な痕跡が目立つようになってきた。
いつの日か、破裂する未来が待っている気がするので、セルロース持ってる人は、早めの再コーティングをした方がエエよ。


5.ウッドプロップ

当時数百円のルアーが多かったダイワ社のルアーの中で、高価な千円超えのシリーズが
ウッドなんちゃらってシリーズ。
その中で、オレがけっこう気にいってたのがコレ。
コレに、リップを取り付けて改造したモノを、水面でジタバタさせると、めっちゃ釣れた。
でも、ふつーバージョンは釣れなかった・・・。
オマケに高いから、けっこう取扱店も少なくて、探すのに苦労したもんだ。
カラーが、レーベルのモノにクリソツで、憶測だが、レーベルで作ってたんじゃないのか?
なんて、オレ的には当時考えてたが、どうなんだろ?
まあ、今となっては、どうでもいっか。


6.ブルフロッグU

ダイワの古き名作なカエル。
下向きなフックには、何度もバラシを体験させられたが、
ステンレスのバーブレスフックは、素晴らしいほど丈夫だったね。
足もイイ、デザインもイイけど、キッチリ泳ぎもイイ!
これは、ハリソンのスーパーフロッグのパクリなのかもしれんが、イイ!
このカエルには、現代でも復活して欲しいよな〜。


7.ブッシュマン

へドンのブラッシュホッパーをダイワがアレンジしたらこうなった!って感じのルアー。
本家には、デッカイプロペラバージョンと、ブッシュマンと同型の2種ある。
基本的には、ブッシュの中に投げ込んで通してくるルアーだから、
プロペラはデッカイほうがイイ気もする・・・。
でも、ダイワ的には小さいプロペラほうが良かったんだね。
確かに、1980年代の日本のフィールドでは、デカイプロペラに違和感が相当にあったと思う。
そもそも、正しい使い方さえ、ちゃんと認識して無い事が当たり前な時代だったからね。
ちなみに、フックは本家がシングルなのに対して、コイツはダブルにしてある!
コレが、また、なんともフッキング悪いんだよね〜。
こういうのって、やっぱ考えないでアレンジしちゃぁダメなんだよ。
へドンのは、フッキング考えてシングルのデカイフック付いてるんだからぁ〜、
そんなことが痛感出来て、使うとかなり面白いルアーなのさ。


8.マウスウォッシャー

ルアー名の意味は、口洗浄
ダイワが、バブル期も終焉を迎えようとしてた頃、トップアーティストシリーズとして昔さながら・・・とまでは言い過ぎかもしれんけど、
かつてのリブンシケーダを彷彿させるかのようなルアーを、続々と生み出した。
口内にプロペラを装備してるだけじゃなくて、POP−Xで有名になった、水が通る穴ウォータースルー機構を有してる。
↓プロペラは、通常とは逆向きで取り付けられており、

口内で奥の壁に水が跳ね戻された水流を受けない限り回らない・・・と思う。
正面からの水でプロペラを回すなら、取り付けてる向きが逆なので、直した方が良いのかもしれんけど、
メーカー側が敢えてこうしてるのだから、何か意味があるのかもしれんね。
下顎が大きいので、けっこう水を掴む。
ポッパーとして使うなら、パワーがあるタイプかな?
なんせ、逆点けのプロペラが、破壊力を持って水面を荒らすから、ポップ音よりもプロペラが勝ってる感じ。
ただ、爆発的に水面を荒らす事だけは間違いないから、ポップ音なんて、どうでも良いんじゃね?
ただ巻きで、シャロークランク的な感じで使うと、水面でウネウネと良い感じで動いてくれる。
ピンポイントで爆発も出来れば、シャロークランク的にも使えて、どっちでも優秀な動きをしてくれる。
こんな素晴らしいルアーは、なかなか無いね。
口内には、2ヵ所ウォータースルーの穴があいてるけど・・・、果たしてどんな効果があるのかは、永遠の謎でしょう。


9.ポップンフロッグ

ビッグバドが日本で大人気となった頃、ダイワからはこんなのが発売された。
コレも、トップアーティストシリーズとしてリリース。
お尻をブレイドじゃなくて、足形にしたのがこだわりなのかもしれないが、不要な穴は後ろのフックと当然絡まりやすい・・・と思いきや、
使ってみたら、そうでもない。
絡むこともあるけれど、すぐに外れてノー問題となるケースの方が多かった。
フックは、絡み防止に対策なのか、前へは動きにくい構造になっていて、実によく考えられてる。
動きもハンパ無く、音も素晴らしい。
本家を凌駕出来る素質を秘めていると思うのだが、残念ながら販売終了となってしまっている。
日本のルアーは、良いルアーであっても、短期間しか売らない事も多いね。
見切りが早過ぎる気がするんだけどなぁ。


10.マッドシケーダー

ジタバグ風のリップを搭載してる、蝉型のルアー。
凝ったボディ形状だけど、そんな事よりも重要なのは、リップでしょう。

↓穴が、六ケ所もあいてる。

たぶん・・・、何らかのオリジナリティを出したかった為にやってしまった事なのだと思う。
だが、この穴がある事によって、水を掴んでウネウネする動きが消えてしまった。
よく言えば、動き過ぎないのだが、時には直線的な動きとなってしまい、物足りなさも感じてしまう。
ただmこの穴がある事によって、変なバブルなのか・・・、そんなのを生み出してる。
ただ・・・、それが効くとは、オレには思えないんだけど、どうでしょう?
本家の最大の特徴は、かつてウォーカーベイトとも呼ばれた、素晴らしいウネウネアクションなのだよ。
コレは、敢えてそこを変えるという暴挙に踏み切ってしまった・・・。
いや、そこまでするつもりはなかったのかもしれないけど、結果としては、水の掴みが悪くなってしまった。
とはいえ、ウネウネしないワケじゃない。
適量の水を巧く掴むと、けっこう良いアクションをしてくれる。
ただ、穴があるために、ムラが出てしまっている。
リアルな外観が素晴らしいだけに、そこがスゴく残念だよ。
でも、ウネウネするよりも、その場でちょっとジャークした時に、セミらしい音をこの穴が出してくれるのなら、
使い方によっては、スゴイ武器になりそうな可能性を秘めていると思う。
ジタバグと考えずに、新型として別の使い方を見出すことが、このルアーの正しい使い方なのかもしれないね。


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